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ニューアジア New Asia
*2004年7月の情報では、New Asiaは既に閉店しています。現在ではタイレストランになっています。

*2001年9月に、オーナーが代わりました。ということで、以下の情報はちょっと古くなっていますが、ムスリムのレストランというのは同じです。再取材する予定です。

場所
新大久保 (JR山手線新大久保駅より徒歩2分)

地図
住所
新宿区百人町2-10-8
電話
03-3366-9644
営業時間
土〜水1:00PM〜11:30PM
金曜2:00PM〜11:30PM
席数
約30席
休み
木曜
創業
1996年
客層
ビルマ人6割、日本人3割、インドネシア・中国人など1割
特徴
他のミャンマー料理店と比べての特徴;インド・ビルマ料理店と看板にあるが、オーナーがイスラム教徒のインド系ビルマ人なので、ビルマ料理ながら、インド系であること、豚肉を使わず、その他の肉に関してもハラールフード(アッラーにお祈りしてさばいた肉)であることなどが特徴。東京で、インド系、イスラム系のビルマ料理店はここだけとの話なので貴重だろう。とはいえ、純粋なビルマ料理もある。イスラムの教えに則って、以前訪れたときには酒類の扱いもなく、飲みたい人は、勝手に店内の自販機でビールを買う仕組みになっていた。今は他教徒のために瓶ビールは置いてあるが、自販機はそのままだし、そのほかのお酒が飲みたい人には、近所の酒屋で買ってくるようにアドバイス。『持ち込み可』なのは現地と同じなのだけれど、自販機といい、持ち込みといい、こせこせした商売っ気のなさが、日本ではちょっと不思議なムード。

これが店内にあるビールの自動販売機


今日のアトウ

■ パズンクェッチョウトウッ(海老入りかき揚げのサラダ)800円
ごめんなさいっ。今回は、ゲストが日本酒を買ってきたりして、最初から『酒飲みモード』だったため、真面目に取材しないまま、終わってしまいました。しかも、お店の人が、注文したこの一品を出し忘れたため、なし崩し的にアトウを食べぬまま、ビールと酒で満腹に…。いえ、決して他人のせいにしているわけでは…。そのうち再訪して加筆します!


ニューアジアの自慢料理

■ パンディカウスエ(インド風味焼きそば)800円
インド・ビルマ風チキンカレーと焼きそばをミックスした料理で、他で食べたことのない一品だった。この店で注文する人の多い人気メニューとのこと。焼きそばと鶏肉の合わせ方としては初体験で、大降りの肉が骨ごと乗っかっているが、ほろっと骨からはずれるくらい柔らかく、スパイシーに煮込んである。チキンはもちろんハラール。『パンディ』というのはビルマ語で中国系イスラム教徒のことで、パンディ料理というのはいろいろあるらしいが、この店ではこの料理だけを扱っているとのこと。

■ セイターガバッ(山羊肉の料理)1000円
山羊肉と玉ねぎ、トマトなどの野菜を煮込んだカレー風煮込み。諸般の事情で、現地と同じ調理法ではないということだが、山羊といっても嫌な臭みはなく、しかも牛や豚とは違った肉の味わいがあって美味。一般に店で食べるビルマカレーは肉中心で、野菜が入らないものが多いが、これは野菜も一緒に煮込んだビルマカレーという感じで、私は好き。

■ ダンバウ(鶏肉入りビリヤニ)750円
旅行者の日本人(私たち)でも知っているインド系料理の代表は『ダンバウ』。東京唯一のインド系ビルマ料理店に来れば、当然、食べてみるべき一品だったのだけれど、ごめんなさい、やっぱり今回は酒のせいでサボってしまった。オーナーによると、他店のようにレディメイドのものは使わず、自分で作っているので美味しいとのこと。安くて美味しいと、客の人気も高い一品だそうだ。またこんど。


おまけ

■ チンバウンヒン(ケナフ<酸っぱい葉>スープ)400円
現地でビルマ料理を頼むと、勝手についてくる基本中の基本のスープなのだけれど、不思議とこれまで東京のビルマ料理店で見たことがなかった。インド系の店にあるとは意外だが、懐かしくて、頼んでみた。初めての旅では、その見た目のグロテスクさ(汁の色はどす黒く濁っていて、茎や葉が荒っぽく椀から飛び出している)、独特の臭み、それに同席した皆でひとつの椀からスプーンですくって飲むマナーなどが馴染めず、あまり手をつけなかったのだけれど、徐々に食べるようになった。油っこいビルマ料理を中和する役割を担っているのではないかと思う。さすがに日本では、現地ほどの強烈さはないし、見た目もきれいで、油ものの後では大変美味。具は、ケナフの葉とタケノコなのだが、タケノコの歯触りも美味しい。聞けば、名古屋の方で畑を作っているミャンマー人がいて、その人からこの葉を仕入れているとのこと。このチンバウンヒンの他にも、日本にないブーディ(ビルマのひょうたん)や空芯菜、ゴーヤや唐辛子などをここから仕入れるので、9-10月などの収穫期には、現地にかなり近い味が楽しめるそうだ。この店のメニューには、他の店であまり見ないブーディジョー(ひょうたんの天ぷら)なども掲載されているが、収穫期以外は日本の冬瓜を使っているが、日本では冬瓜が似ているし、美味しいとのこと。現地では安くて食べる機会の多いブーディジョー、これも次回、試してみたい。


店のことなど

 美しき独身男、2人で切り盛りする店。ここ1〜2年は景気が悪く、ミャンマー人に仕事がないので、金土日以外は割合ヒマだという。特に夕方6〜8時ごろ、常識的には混み合いそうな時間帯がすいているそうだ。
 オーナーのティンアウンミンさん(右)はヤンゴンの料理学校で学び、船員を経て来日、その後、店を開いた。滞日6年になる。父がインド系で、母がビルマ族のイスラム教徒。日本の暮らしは、毎日仕事で忙しいのが不満。近い将来、ヤンゴンに戻って兄と一緒にビジネスをする予定。
 アルバイトのタンナインさん(左)は、来日3年のビルマ族、仏教徒。料理は、子どものころから母を手伝っていたので、何でも出来るという。仕事について聞くと、以前働いていた日本の居酒屋では楽しかったという。現在は主に夜の担当で、ひとりで切り盛りすることの寂しさ、それにビルマ人はこのような店で雇われる人間に対して見下す傾向があって、客とのやりとりもあまり快適でないとのこと。客として食べるばかりだったので気づかなかったが、確かにそのようなムードはあるのかもしれない。現地のレストランで働くのは、貧しい田舎の村から住み込みの丁稚奉公に来ている子どもたちが多い。ある面、職業に貴賤はない、というのが浸透している日本人には気づきにくい事象だったと感じた。

今日のゲストのモーミンさん。ヤンゴンで写真スタジオを開いているやり手カメラマン。今回はアメリカ1ヶ月の旅に出かける前に、以前3年ばかり暮らした日本に立ち寄ったという、なんだか珍しいタイプのミャンマー人。気さくでとってもいい人だった。「久しぶりに日本酒が飲みたい」と言って、近所の酒屋から買ってきて差し入れてくれた。そんな風に日本に愛着を持ってくれるのはうれしいこと。冷やで、相当なハイペースで飲んでたけど、まったく変化なし。日本酒には慣れているはずのウ・モスの方が先に赤ら顔に。


雑感

●一見、お世辞にも愛想がよいとは言えない店員に最初はたじろぐが、話を聞くほどに、酒を飲んでしつこい(?)ウ・モスの質問にも嫌な顔ひとつせず正直に答えてくれて、帰りにはずいぶん好印象だった。ミャンマーは多民族国家で、ビルマ族の他に多くの少数民族が暮らし、そのほかに中国系、インド系がコミュニティを作っている。現地ではビルマ料理以外としては、中華かインド料理(いずれもどこかビルマ風)というのが旅行者の通常の食事。インド系に多いイスラム教徒は、素材などに制限があるので、日本にあってもやはり他店と異なる世界を作っているため、メニューも違っていろいろ食べてみたくなる。この日は今年一番の暑さで、油多めのビルマ料理にちょっと食欲が出なかったのだけれど。店でインドネシアからの留学生グループに会ったのだが、このような他のアジア諸国の顧客を持つのは、イスラム系の店ならではだ。国や民族が違っても、宗教によって共感を持てるのは、イスラム教の特長だなあとあらためて思う。
(マ・サベー)

●ここはいろんな面でイスラムの店です。
酒でビジネスはしないということで、店内には缶ビールの自動販売機。もちろん値段は普通の自販機と同じです。ビール好きの人には割安です。それに店で出会ったのが、インドネシアからの留学生のグループ。ミャンマーレストランで他のアジアの国の人たちと会ったのは初めてでした。さすがインターナショナルなイスラムです。店内はどこにでもある下町の食堂という、飾り気のない雰囲気。変にエスニックぽくしていないのが、逆に現地の雰囲気に近いです。初めてパンディーカウスエなるものを食べたのですが、おいしいです。中国料理にイスラム(インド)のスパイスがかかったという味。この店でしか味わえないとのこと。後は、ダンバウ(ビリヤーニ)も食べたかったのですが次のお楽しみにします。イスラムの店というと、池袋のアミーナがなくなってしまったので、残るはここニューアジアだけ。これからもがんばってやっていってほしいです。
(ウ・モス)

取材日時 2001年6月27日(水)晴れ17:00〜
飲食代 3人で2310円
ビールは自販機、酒は持ち込みで
金額の中には入っていません
参加者 マ・サベー(文)
ウ・モーミン
ウ・モス(撮影)


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