iPad のオリジナルはミャンマー? mPadを見つけた
ヤンゴンでもiPadを使っている人をけっこう見かける。iPadが一種のステータスみたいだ。ミャンマー人の友人のPさんがiPadを操作しながらつぶやいた。「ミャンマーオリジナルのiPadを知ってる?」
そんなもの知るわけないし、あるわけない。でも、あったのだ。彼は子供の頃学校で使っていたという。名前は「チャウティンボウン」、いわゆる石版だ。黒い石版の上に何度でも書いては消せる。その姿が iPad そっくりだという。20年以上前、インドのラダックに行ったとき石版を使っていた子どもたちと出会ったことがある。ミャンマーでは今でも田舎で新品の石版が流通しているらしい。ぜひ買いたかったが、ヤンゴンではもう売っているところはほとんどないらしい。
バゴーで見つけた。妹が初ミャンマーでやってきたので、4日間フルアテンドした。ちょっと足を伸ばそうということで、バゴーへ列車で行った。パゴダ参拝料が10ドルもするとは知らなかった。以前は無料だったのに。前日のヤンゴンでパゴダ巡りをした二人は、拝観料を払って2日連続でパゴダや仏像という気分になれず、市場巡りをすることにした。前日の大雨で足元がぬかるむ市場を歩いていてふと立ち寄った雑貨屋。あったーーー!
ひと目でチャウティンボウンだとわかった。私を呼んでいたのだ。友人が言うように iPad にそっくりの形、液晶部にあたる部分が黒い石、外形の角はiPadと同じように丸くなっている。大きさも同じくらい。でも、チャウティンボウンのほうがずっと軽い。店では紙のノートと並べて売っていた。値段は大きいほうが750チャット(約75円)、小さいほうが650チャットだった。石で出来た石ペンが2本で50チャットだ。私は大きい方を買った。「これは世界的にも価値があり、ユネスコも調査に来た」と熱く語ったせいか、妹は小学生の甥っ子へのプレゼントとして小さな方を買った。
このチャウティンボウン、今ではコミュニケーションツールとして絶大な力を発する。食堂に持って行きウェートレスに見せると、「懐かしいー、小学生のときに使っていた!」と大人気だ。みんな手に持ってビルマ語を書いてくれるので、ビルマ語の勉強にも役立つ。ヤンゴン生まれでも30才以上の人は小学生の頃使っていた人が多いようだ。20才前でも田舎の子なら子供の頃使っていた。私が日本語を教えている21才のヤンゴンっ子に見せると、彼女も知っていた。子供の頃、おばあちゃんが買ってくれたというだ。でも使わなかったそうだ。おばあちゃんちょっとかわいそう。
私がいつも持ち歩いているバックの中には iPad が入っているのだが、ここにチャウティンボウンが加わった。私は mPad と名付け、みんなに自慢気に見せびらかしている。
ディスカッション
コメント一覧
1991年ラダックの小学校の写真、素敵です。こんな笑顔の子供たち、今はどこにいるのかな
こんな笑顔の子どもたち、田舎に行けばまだ世界中にいますよ。
元気ですか?相変わらずのなまけぐせかな?生てったらよいけど。1週間に1回の更新はどうなっているのかな。ゴンのブロブを楽しみにしているんだけど。
新しいブログ、やっと載せましたよ。今月はもう1本くらいは書こう。
すばらしい。チャウティンボウンをバゴーでみつけましたね。ということは、地方にいけばまだ、まだ使っている子がいるということでしょう。私も今度、帰国するときに、記念として買いたいと思います。