ナガの旅 その2〜カムティー
11:23、飛行機はカムティ空港に到着。マンダレーからの飛行時間は1時間10分、私の睡眠時間は50分、充分寝られた。
カムティーはミャンマー北西部、チンドウィン川の東側に面した町だ。チンドウィン川を渡るとすぐにナガ族が住むナガ丘陵が始まる。ナガへの入り口の町だ。
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カムティーは英字表記だと Khamti または Hkamti と書く。でも、ビルマ文字(ミャンマー文字)をそのまま発音すると カンティーになってしまう。なぜ表記が違うのかというと、カムティというのはシャン語の言葉で、シャン語の発音をビルマ文字では正しく表現できないからだ。ビルマ文字には「kham」の最後の m を表す文字がない。だから、シャン族以外のミャンマー人はみんな「カンティー」と発音している。
このカムティー、シャン語では「カム」が「黄金」で「ティー」が「場所」の意味だ。カムティーは「黄金の地」という意味になる。ここには今でもシャン族の人たちが多い。ミャンマーでは「カムティー・シャン」と呼ばれている民族で、その昔、シャン・雲南地域から来たシャン人たちだ。カムティー・シャンはここカムティーやチンドウィン川流域だけじゃなく、インドのアッサム地域にもいる。12世紀から18世紀にかけてアッサムにあったアホム王国はシャン族の国だった。このカムティーシャンの歴史もいろいろと面白そうだ。
前振りが長くなった。私にとっては12年ぶりのカムティー空港、相変わらずひなびていていい雰囲気だ。空港からか町まではトウンベイン・サイケーと呼ばれる、バイクとリヤカーを合体した車に乗った。丘の上にある空港からトウンペイン・サイケーは軽快に町へ向かっていった。4月の一番暑い時期であるが、ヤンゴンよりは気持ちのよい暑さだ。
15分ほどでトゥンヤダナーというゲストハウスに到着した。外国人は1泊40ドル。昔ならせいぜい10ドルくらいのゲストハウスだが、ホテル料金の高騰はこんな田舎町までやってきていた。電気は夕方から夜10時頃まで来る。携帯はCDMAはいつでも通じるが、GSMは夜中と早朝だけ可能だという。
ゲストハウスは町のメインストリートに面していた。すぐ近くの竹細工店で竹編み帽子と竹カゴを購入。その斜め向かいはカムティーで一番大きな市場もある。そのまま真っ直ぐ進むと、チンドウィン川に出た。今は渇水期なのでかなり水位が下がっている。川沿いを進み、教えられたラペッイエサイン(喫茶店)に着いた。
この町で最も人気のある(と思う)この店のお勧めはグレープフルーツジュース。グレープフルーツをまるごと搾ったここのジュースはうまい。ミャンマーでは最北部の町、プタオがグレープフルーツで有名だが、ここカムティーでもけっこう売られていた。この近くでも栽培しているだろう。
夜はゲストハウスのすぐ横にある中華料理屋に入った。愛想の悪い太ったおばちゃん二人でやっているこの店、最初はこの店に来たのは失敗だったかと思ってしまった。でも、出てきた料理はどれもうまかった。「うまいね!」とおばちゃんに伝えると、ちょっと恥ずかしそうな笑顔。本当に嬉しそうだった。
翌日、朝早くトウンベイン・サイケーに乗り、チンドウィン川の渡し船の出ているところまで向かった。対岸の町、シンディーからラヘー行きのトラックが出ているからだ。何もないように見える河原だったが、ここが渡し船の発着場。小さなボートに乗り、シンディーへと向かった。
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