日本のリーダー
今回の地震で被災した日本人の行動が海外から賞賛されている。しかし、政府や東電の対応があまりに情けない。この違いすぎるふたつ、どこかで聞いたような話だ。
イギリスでは、英第14軍司令官スリム中将が回想録Defeat into Victoryでインパール作戦を痛烈に批判しており、「日本陸軍の強みは上層部になく、その個々の兵士にある」と下士官兵を賛辞する一方で高級指揮官については「最初の計画にこだわり応用の才がなく、過失を率直に認める精神的勇気が欠如」「日本の高級司令部は我々をわざと勝たせた」と皮肉っている。また、ウィンゲート旅団参謀長のデリック・タラク少将は著書で「牟田口中将の作戦指導については、イギリス側から全く評価されていない。」と記している。軍事史研究者のジョン・フェリスは「無能」の一言で切り捨てている。
これは歴史的敗北となったインパール作戦の責任者、牟田口中将のことが書かれたWikipediaのページにある。彼は部下をよく怒鳴り散らしていたという。ますます管首相と重なってくる。一般の日本人は賞賛されるがリーダーとなる日本人は無能、このふたつは大いに関連性があるようだ。
無謀を絵に描いたようなインパール作戦、結局多くの命を奪った大敗北となってしまった。最初から日本兵が弱ければこんな作戦も立てなかっただろう。日本軍では現場が優秀でがんばったため、無能なリーダーでも勤まっていたのだ。
今回の地震でも地元の人たちが助けあって秩序を保っている。政府がなくてもいいのかもしれない。今の政府は自衛隊の派遣と米軍の援助受け入れの決定は早かったが、それ以外は何もしていないように見える。それに対して、被災者も大きな声を上げない。日本人は為政者を「お上」と言ってきたように、天災を我慢するのと同じように「お上」にも我慢してきた。
それに、政治をおおっぴらに語るのがはばかられていた。親しい間では政治の話をしても、それ以外ではあまり語らない。私もブログでは日本の政治の話は極力避けてきた。変に波風を立てたくなかったからだ。政治を語るのは政治家とマスコミだけ。しかし、自分たちが黙ることが無能なリーダーを生む手助けになっていたのなら、変えなくてはいけない。
日本のリーダーはいつも愚かなわけではない。明治維新、戦国時代、非常時には有能なリーダーが数多く生まれてきた。非常時となった今の日本、私たちでリーダーを変えていくしかない。
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