Mac OS X Lion でビルマ語(ミャンマー語)が正式サポートされた

IT, ビルマ語(ミャンマー語), ミャンマー絡み

ちょっと前までずっとWindowsばかり使ってきたのだが、1年半ほど前にMacbookを買った。最近はすっかりMacに慣れてしまい、普段使うのはMacになってしまった。

そのMacのOSを最新のLionにバージョンアップし、タッチパッドが使いやす〜〜などとお気楽に喜んでいた。ところがこの間、何気に言語設定のところを見ていて、見慣れた、けど変な文字を見つけてしまった。

うん?これはビルマ語 !!!

予想もしていなかったビルマ文字(ミャンマー文字)がそこにあった。心の準備などしているわけもなく、本当に驚いた。ビルマ語は世界中に話者が4,000万人以上いるのに、WindowsだけじゃなくMacからも無視されていた言葉だ。OSがサポートしていないので、みんな苦労してビルマ語をコンピュータで使っていたのだ。

早速ビルマ語を言語リストに追加してみた。

ビルマ語をフォントリストに追加

フォントリストに追加されたビルマ語をドラッグアンドドロップで日本語、英語、ビルマ語の順番に並べた。

次は書式設定、地域を見るとここにもビルマ語があったので選択する。

地域設定にもビルマ語があった

その次は通貨、もしかしてチャットがある? あった!

チャットもあった

日付、時刻、数値の表示例がこんなになった。う〜ん、やっぱりビルマ数字はわかりにくい。ミャンマー人じゃなければ、地域も通貨も設定する必要はないだろう。

ビルマ数字はわかりにくい

最後に入力ソース。あった! Myanmar – QWERTY。興奮が高まってきた。

これでビルマ語のキーボード入力ができる!

これで言語設定が終わり。

おおお、デスクトップ画面右上にある言語切り替えのバーを見ると、ミャンマー国旗と共にMyanmar – QWERTYという文字が出てきた! それに切り替えてみる。

ビルマ語に切り替えてみる

まずはエディタを立ち上げ、適当にタイプしてみた。おおおお、ビルマ文字だ !!! フォント設定をしていないのに勝手に出てきた。ブラウザの検索窓にもビルマ語が、ファイル保存でもビルマ語ファイル名が、当たり前のことだけどすごい。遠い昔、日本語ワープロを初めてさわったときの感激が蘇った。でも、どのキーを打てばどの文字が出てくるかわからない。キーボードレイアウトのようなものがどこかにあるはずだと探してみた。なんだ、Myanmar – QWERTY の下にあった。

キーボードビューアもあった

キーボードが出現! シフトを押すと切り替わる。それに、いつも画面の一番表に表示されるのでわかりやすい。

これがMac式ビルマ語キーボード
シフトを押すと、切り替わる

一般的なミャンマー式タイプライターの並びとまったく違う。mのところがマ行の文字、kのところがカ行の文字なので、ローマ字式に近い。ba, bi, bu, be, bo と打つと、ビルマ語のバビブベボが出てくるのだ。といっても、完全なローマ字式ではない。

ミャンマーという文字は mRnqma(Rはシフトのr)と打つ。ちゃんと出てきた。

では2階建て文字を含むマンダレーというと、mnftle: で、

私にも簡単にタイプできた。今までのミャンマー式タイプライターだと、かるた遊びのようにキーボードのどこにあるか一文字ずつ探してタイプしていたのだが、このMac式キーボードはわかりやすい。最近は日本語ローマ字入力に似たBurglishなどの入力方法もあるが、あれよりもMac式のほうが早くタイプできそうだ。と喜んだのもつかの間、このマンダレーの綴りは正しくなかった。

最後の記号 : は英記号のコロンをそのまま使ったのだが、本当はビルマ語の長音記号にしなければいけない。形が似ていても全然違う記号だ。でも、なぜか長音記号がキーボードレイアウトに出てきていない。そこで英語キーボードでのビルマ語レイアウトを調べることにした。あれれ、やはりあるではないか。

Myanmar Unicode Keyboard Layout in Mac OS X Lion

日本語キーボードだとまさにコロンの位置がビルマ語の長音記号だ。ここが英語キーボードだとシングルクォーテーションになっている。日本語キーボードだとシフトの数字7がシングルクォーテーションなので、それでやってみた。だめだ、シングルクォーテーションのままだ。英語キーボードと日本語キーボードとの微妙な違いで特殊文字が入力できないというのは昔からあった。それが今回も影響しているようだ。

気をとり直して、Unicode番号を直接打つことにした。Macの言語設定の中の入力ソースをまた設定する。今度は Unicode Hex Input を追加した。次に、言語切り替えから文字ビューアを表示を選択した。

 

文字ビューアを表示してみる

文字ビューアが出てきた。左の項目からミャンマー文字を選択するとビルマ語フォントだけの表示になった。世話をかけた長音記号が出てきた。Unicode番号が1038だ。

長音記号は1038番だった

ではということで、入力方法を Unicode Hex Input に変え、option キーを押しながら1038を入れてみた。見事に長音記号が出てきた。さっきのコロンと見た目はあまり違わないが、実は全然違う。でも、この入力方法は面倒だ。そこで、長音記号をよく使う項目として追加してみた。これで、長音記号を入力したいときは、これをクリックするだけだ。ユニコード番号を直接入力するよりは簡単だ。

長音記号をよく使う記号として登録した

これでマンダレーが無事入力できた。めでたしめでたしだ。

ここで、はたと気がついた。ビルマ語を入力できるようになっても、自分がビルマ語をほとんど書けないし読めないじゃないか。カタコトで会話はできても、綴りなどほとんど覚えていない。困った。もっと大きな問題にぶち当たってしまった。