ナガの旅 その9 ~ ポンニョン村へ(1)
ラヘーの朝、雨音が止んでいた。昨日は夕方から降りだした雨が降り続き、寝床の中でも雨音を聞いていた。その雨も朝にはぴたりと止んでいた。後で聞いたのだが、毎年4月の始めは雨が降ることが多いという。降るといっても3~4日程度で、その後は5月初めまで晴れが続くらしい。昨日は4月始めの雨にちょうど当たったみたいだ。
8時半、ポンニョン村へ出発した。ポンニョン村はインド国境近くにある村で、まだ外国人が入ったことがないということで、予定を変更して行くことにした村だ。美人が多い村という話に惹かれたというのは内緒だ。
雨は降ってないが、滑る滑る。昨日の雨で地面がゆるみ、バイクが真っ直ぐに走れない。私が乗ったバイクは2度転んでしまった。どちらもスピードが出てなかったので怪我はしなかったが、私は泥だらけになった。
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しばらく走ると泥道も少なくなってきた。ラヘーの近くが特に雨が多かったようだ。ラヘーから離れると道もだんだんと乾いて快適なサイクリング道になってきた。
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時々、村人の一団とすれ違う。彼らは時速4Km、こちらは時速30Km、追い越していく我々を見て何を思っているだろうか。
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突然前に大きな動物が現れた。象だ! タイによくいる観光用の象とは違い、人と一緒に働く使役象だ。ミャンマーでは今でも材木の切り出しに象が使われている。私は大喜びで象の周りをウロウロしたが、象は意に介する事無く悠然としていた。象だけのときは危なくてこんなことはできないが、象使いと一緒にいる象は大人しい。若い象使いも上から悠然と見ていた。
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
ミャンマーでは使役象がまだ各地にたくさんいるが、これは世界的に見て非常に珍しい。国が閉ざされ経済発展も遅れていたという理由もあるのだが、軍政時代でも国は使役象を保護してきた。ミャンマーでは国が直接管理している使役象もたくさんいて、そうした象使いは森林局の公務員だ。ただ、今回我々が出会った象は国の象ではなく、民間の象だった。
ミャンマーの象に関しては象の本も出版している大西さんが非常に詳しい。私の象の知識もほとんど大西さんからの受け売りだ。
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