ナガの旅 その11 〜 ポンニョン村は黄色だった
午後2時過ぎ、ポンニョン村に到着。
おっ、今までと違うぞ。大人たちが出払って静かなのは同じだったが、村が明るくて広い。実際、ポンニョン村には160軒ばかりの家で人口は800~900人なので、このあたりではかなり大きな村だ。バイクは村の中を進み、中央の広場に着いた。なんだ、あれは?
黄色が鮮やかなショベルカー4台が広場に並んでいた。ポンニョン村に来る途中見かけたショベルカーと同じものだ。外国人がまだ入ったことのないという、ラヘーから一番奥の村に来たらそこには黄色いショベルカーがあった。アームの部分にJCBと大きく書かれていたが、もちろん日本のJCBとは全く関係がない。イギリスのメーカーで建設機械では世界第3位だ。この黄色を「JCBイエロー」というらしい。
早速、村の中を歩いているとトタン屋根の家から声がかかった。ナガの村ではトタン屋根は金持ちの象徴でもある。中には男性二人と子どもを抱えた若いお母さんがいた。彼らはみんなビルマ語が話せた。
「はい、お茶」
といって出てきたのが、ミャンマーでいつも出てくるイエヌエジャンではなく、紅茶だった。ミャンマーでは烏龍茶に似たイエヌエジャンが最も普通のお茶で、他にはとても甘いミルクティーか、とても甘いインスタントコーヒーが普通だ。それが、このポンニョン村で出てきたのが、何も入ってないブラックティーだ。ミャンマーでは初めての経験、なかなか美味だ。男性の一人は村の牧師で、もう一人はトランシーバーで盛んに連絡を取っていた。
早速、ショベルカーについて聞いた。ショベルカーはインドの土木会社が持ってきたもので、この村に土木会社のインド人たちも寝泊まりしているという。この会社はインドからラヘーへと繋がる道路建設を行っている。村に来る途中、川で工事をしていたのもこの会社がやっている工事だった。ポンニョン村からもかなりの人たちが工事に出ている。日当は1日200ルピーだ。そう、チャットではなくルピーだ。国境の村ポンニョンではルピーも普通に流通しているのだ。200ルピーというと340円ほど、現金収入が限られているナガではけっこういい収入だ。
ここの家は村の中で道路建設についての世話役のようなことをやっているらしい。まだ若いお母さん、私が興味深そうに囲炉裏の上に置いてあった納豆の匂いを嗅いでいると、
「それあげる」
と、手作り納豆をくれた。
空が薄暗くなってきたころ、広場から歓声が聞こえてきた。JCBイエローが次々と帰ってきた。ショベルカーのバスケットの中に若者が何人も座り、はしゃいでいる。子どもたちもあつまり、祭りのように賑やかになった。
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