天災の報道

ミャンマー時事

ミャンマーでの津波の被害については、6日の国連やWFPの発表によると、ミャンマー政府発表の数字とそれほど大きくは違わないようだ。しかしそれまでは、政府は真実を隠しているのでなないかという論調が海外のメディアに多かった。やはり、ミャンマー政府が詳しい情報をオープンにしなかったせいだろう。この件に関して、「Secrecy hinders damage assessment in Myanmar」という記事があった。その中に、

“There’s an age-old superstition that if there’s a big natural disaster, there’s going to be a new king or a regime change," says Stephen Dun of Seattle. “That’s one of the reasons they’re keeping a big blanket on this whole situation."

「大きな天災が起きると新しい王か体制に変わるという古い迷信がある。」と、シアトルのStephen Dunが述べた。「これが、今回の状況に大きく蓋をしなければいけなかったひとつの原因だ。」

このように、ミャンマーでは天災に関する情報は今回に限らずあまり発表しない。去年の5月19日に巨大サイクロンがヤカイン州を襲い、220名の犠牲者を出した。このサイクロンは1968年以来最悪の被害だったという。New Linght of Myanmar にサイクロンの被害記事が載ったのが10日後の5月29日である。その前日5月28日には、ユニセフから緊急支援情報という日本語の情報が出ている。比べると情報量が全然違うし、New Light of Myanmar では、できるだけ被害が少なく見えるように苦労して書いているのがわかる。

国民に重要な事実を知らせないというのは何もミャンマーだけではない。北朝鮮は論外として、中国でも表に出る報道は一部だけである。たとえば、最近各地で民衆のデモや暴動が頻発しているが、国内では報道されていない。海外へほんの少し情報が漏れてくるだけだ。ただ、天災については中国は最近、以前よりはオープンに情報を出すようになった。ミャンマー政府も天災の報道に関しては中国の真似をすべきだろう。今の時代、政府が情報を隠してもインターネットや衛星テレビで海外からの情報はどんどん入ってくる。隠しても無駄であるし、逆に国民の不信感や流言飛語を増大させるだけではないか。