すごいぞ、シンガポール ~その1
先週、友人の結婚式で初めてシンガポールに行ってきた。いろんな意味ですごい国だった。実質2日間の滞在だけなので、勘違いや私の無知もあるかもしれないが、思いつくまま印象を書いてみたい。
まず、異常なほど美しい。いや、美しいというよりもクリーン&合理的といったほうがいい。中心地には近代的なビルが立ち並んでいるが、街路樹などの緑もたっぷりある。また、ちょっと郊外に出ると緑だらけだ。熱帯地方の緑の生命力は強い。放っとくとそこら中覆い隠すほど茂るのだが、シンガポールの緑は植物園の緑だ。芝生は刈り込まれ、木々は剪定されている。これらの作業をしている人たちを頻繁に見かけた。
また、薄汚れたビルはほとんどなかった。近代的な真新しいビルか、パステルカラーで美しくペインティングされているものが多い。熱帯だとビルの壁面もすぐに汚れてくる。ヤンゴンのダウンタウンのビルなどはその典型だ。話を聞いたシンガポール人によると、5年に一度は壁面をペンキで塗り替えているらしい。
シンガポールには街の猥雑さなどはほとんどなかった。無秩序で毒々しいといった看板はほとんど見ないし、裏通りに入っても整然とした街並みが続き、ゴミもほとんど落ちていない。大声でケンカしているのも一度見ただけだ。シンガポールの住民の多くが中国系というのにこの整然とした雰囲気はどうしたことか。また、シンガポール人の多くは郊外の高層住宅に住む。居住地域として決められた地域に住宅用高層ビルだけが整然と並んでいる。日本のようにビルがあったり平屋があったり商店があったり工場があったり道が入り組んでいたりという町とは全然違う。町と呼ぶよりも単に居住地域と呼んだ方がよさそうだ。
私は古い街並みを見たくなって、植民地時代の建物はないか尋ねた。連れて行ってもらったのが英国植民地時代の家が建ち並ぶ一角であった。瀟洒な白い邸宅が広い緑の中にぽつんぽつんと並んでいた。どれもきれいに改築され、白く輝いていた。家は一般に貸し出されているという。これらの洋館が点在する一角は正に緑の公園である。ただ、人が住んでいるのに生活感がなかった。
最も驚いたのが、中央部の自然保護区である。シンガポールに行く前は、国中ビルだらけだろうと思っていたが全く違っていた。シンガポールの中央部には人の住んでいない広大な熱帯の森が広がっているのだ。それは、貯水池の水源保護の役割も果たしている。ただ熱帯の森といっても、マラリア蚊が蔓延したりヒルが頭上から降ってくるということはない。それでも、1930年代までこの森にトラが住んでいたという。森の中には散策用の整備された歩道もいくつかある。街の中心から車で20~30分も走ればこの森の入り口に到着する。
シンガポールのことを公園都市と呼ぶらしいが、ぴったりの言葉だ。国全体がきれいに整備された公園である。緑は繁殖しすぎないように常に手を施され、建物も黒ずまないよう常に化粧される。見事な都市計画の結果であり、それを維持するのに多大な労力をかけ続けている。
ということで、続きは明日以降に。
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