東北に行ってきた(その4)

地震, 日本

長いトンネルだったが、前方が明るくなってきた

最後の東北の夜も明け、泥だらけの軽ワゴンは帰路についた。見慣れた東京の街が見えてきた。でも、何か違っていた。現実感が薄い。そう、何かに似ている。長期の海外の旅から帰ったときのようだった。目の前が現実なのか昨日までいた世界が現実なのか。

ジェットラグで時間感覚がずれるように現実感もずれる。特にミャンマーやインドの山奥にしばらくいて日本に帰るとそのずれは大きかった。今回の東北から帰ってきたときのずれはそれに近かった、いやそれ以上だった。

津波が残したあの圧倒的な光景、途方に暮れながらも静かに強く生きる人たち。こんなところは世界中で東北しかない。それに、たった3日間だがこれほど深い印象を残したのは、ボランティアに参加できたからだろう。それがなければ全く違った東北になっていたに違いない。

なんだかこの東北シリーズ、旅行記みたいになってきた。そう、私にとってはたしかに旅だった。それも、今までの旅の中でとびきりの旅だった。

今回の東北行きでは、物資を持って行くのに貴重な情報だった「ふんばろう東日本」、現地で貴重で楽しい経験ができたのは「小さな避難所と集落をまわるボランティア」の H さん、M さん、T さんのおかげだった。それに被災地で出会った多くの人たち、感謝である。最後に、今回の東北行きの直接のきっかけでもあり、ずっと運転手役もやってもらった K さん、ありがとうございました。

車は都内を進んでいった。本当にちょっと前の東京とは違っていた。そういや前より暗いな。そうか、省電力、原発事故か。

地震, 日本

Posted by 後藤 修身