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びるまの竪琴 BIRUMA NO TATEGOTO
場所   恵比寿(JR恵比寿駅東口より徒歩10分)
  地図  
住所   渋谷区恵比寿2-8-13アクセスビル1F
電話   03ー5420ー1686
営業時間  
平日 (ランチ) 11:30〜14:00
(ディナー) 18:00〜23:00
土・祝 18:00〜23:00
席数   23席
休み   日曜日
創業   2001年3月
客層   9割が日本人
特徴   味付けは「日本人向けにアレンジはしていない」ということだが、ミャンマー料理特有の油っこさはなく辛さも控えめで、全体的にとても食べやすい。かといって「うす味」ではなく、旨みのあるしっかりした味付け。ちなみに”味の素”は一切使っていない。オーナーシェフのMoe Ko Koさんはビルマ族男性にはめずらしく、小さいころから厳しいお母さんの躾で料理を覚えたのだそう。また来日10年の間にイタリアン・フレンチ・メキシコ料理等様々な国の料理を学んでいる。そんなKoKoさんの「自分がおいしいと思う味付け」は日本人の味覚にもぴったりで、客層の幅が広く常連さんが多いのも頷ける。

「飽きずに毎日でも楽しんでもらえるよう」という考えから日替わりメニューや裏メニューあり。リクエストにも応じてくれる。ランチは5種類(カレー2種類、スープヌードル2種類、焼きビーフン1種類)で\750〜\850。

多分23区内最西端のビルマ料理店。

モデルはマ・サンダー


本日のアトゥ

■ チキンとじゃがいもの春雨サラダ¥650
ゆでたじゃがいもをアトゥの材料に仕立てたものを食べたのは初めて。ポテトサラダ風ながら、マヨネーズを使っていないのでヘルシーで、マイルドな美味しさ。チキンや春雨の取り合わせもよく、ビルマ料理ならではの砕いたピーナツ、豆の粉、海老の粉がきいていて、オイシイ!


■ 緑野菜のサラダ¥700
さやいんげん、ブロッコリー、キャベツ、水菜、玉ネギを、ナッツをふんだんに使ってあえたアトゥ。女性に人気というのがよくわかる。野菜がたっぷり摂れるし、材料にナッツがよく合って、実にいい味。そういえばさやいんげんも、他の店のアトゥでは食べたことがないなあ。私はかなり気に入った。
下に敷いているのはチャパティー


びるまの竪琴 オススメ料理

■ チキンとアボカドのチャパティロール¥700
アボガドとチキンはよく合うんだ、と思い知らされる一品。薄味ながら、香菜の風味と、ちょっとピリッと辛味がきいて、エスニック。ボリュームもあるのでごはん代わりにもなりそう。

■ チキン・ココマトカレー¥700 
料理のオリジナリティ豊かなこの店の、オリジナルの最たるものはカレー類かもしれない。使っている調味料はミャンマーだが、材料の組み合わせ、ビルマカレーならではの皿にたまる油はほとんどなく、さっぱり美味しい。ビルマカレーは油が多くて味が濃いせいか、少量でご飯をたくさん食べるのが一般的だが、この店のカレーはごはん少なめでカレーの具を楽しめる新感覚だ。人気のオリジナル、ココマトカレーは、たっぷりのトマトとココナッツという、ビルマカレーに珍しい材料にチキンを組み合わせてある。ココナッツを使っているからといってタイのカレーほどでもなく、トマトがココナッツとうまくからんでマイルドである。

■ ひき肉とひよこ豆のカレー¥700
ひき肉、ガルバンソー(ヒヨコマメ)にプラス、ゆでたじゃがいもやさやいんげんが具材。その取り合わせがとてもしゃれていて、ピリカラ加減もちょうどよく、私はこちらが好き。ひき肉のカレーといえばインドのキーマカレーを思い出すが、ほかの具材との組み合わせと味のマイルドさが、まったく異なって、どこの国ともいえない絶妙さ。いんげんやじゃがいもが使われているのでミャンマー+日本の料理かな。

■ グリルマリネチキンとピーナツソースヌードル¥1200
一番下がフライドヌードル、その上がチキン、その上にピーナツソースがかかっている。ミャンマーでまったく見たことがない、いったいどこがビルマ料理なの? とたずねてみると、あちらではゆで鶏はよく使うのだという。また、レストランでは少ないが、田舎の家庭料理としてはピーナツソースもよく使う。それにフライドヌードルを組み合わせた、組み合わせの妙、というか。生ピーナツを砕いた甘みが玉ネギ、ニンニク、トマトなどとからみあったソースは、インドネシアのサテーのソースよりマイルドながらうまみがある。少々のピリカラ加減もいい。



その他の料理

■カツオのカナッペ(お店からのサービス)
オードブルにいただいた。

■ オンノカウスェ¥950
ココナッツの味が強すぎずマイルドで、この日参加の幼児(3歳)も喜んで食べた。

■ トーフジョー¥500
トーフも自家製と聞いたが、揚げ具合もちょうど良くて、外はかりっと中はしっとり、ちょっと病みつきになりそうなトーフジョーだった。



ドリンク


中国を始めとして、アジアでよく飲まれている仙草密や、ライチ、烏龍茶といったソフトドリンクが250円。ビールも各種そろっている。



デザート

■サヌィンマキンとアイスクリーム 各¥300
デザートは日替わりで変わる。サヌィンマキンは抑制の効いた甘さで食べやすかった。



店のことなど

ヤンゴン出身のMoe Ko Koさんと日本人の佐野貴美代さんが経営するお店。お二人は夫婦ではなく友人同士で、それぞれに家庭を持っている。以前働いていたニューヨークスタイルのフレンチレストランで知り合い、一緒にお店を出すことに。ここでエピソードがひとつ。佐野さんはノストラダムスが「恐怖の大王が降ってくる」と予言した1999年7月に自分は死ぬんだ、と思っていたのだそう。お母さまは若くして亡くなられたのだが、その時の年齢と99年での自分の年齢は正に同じ。絶対母親より長くは生きられないんだ‥と。だがそれ以降、何かわからない他の力が働きいろんなことが2001年3月に向かって動き始め、店のオープンに至ったという。

 「びるまの竪琴」という名前は、日本人に覚えてもらいやすいようにと佐野さんが付けたもの。ひらがなの「びるま」はこだわりで、やわらかいのんびりした感じにしたかったからだとか。店内はビルマのタペストリーや絵がほどよく丁寧に飾られ木のテーブルとイスが置かれ、温かみのある落ち着いた雰囲気になっている。表には本物の”ビルマの竪琴”がディスプレーされ皆を迎えてくれる。

Moe Ko Koさんと佐野さん


雑感

●料理のオリジナリティが高く、ビルマ料理店にしては丁寧に味付けされている。ゆでた鶏肉、ゆでじゃがいも、いんげんがいろいろなメニューに活用されているのに感心。私は料理が苦手なのだけど、その組み合わせのうまさに、ちょっと料理してみたくなった(^o^)。盛りもよく、その割に値段も高くないので、満足度が高い。オーナーの1人が日本人女性であるせいか、内装のセンスがよく、トイレもきれいなので、日本人初心者を連れくてるにはイチオシ。ミャンマーの印象がよくなること間違いない。また、ちょっとカッコイイ、シェフKOKOさんは、これまで出会ったビルマ人男性の中では、媚びない、頑固(自分の追及するものに対して)、一本気、という印象の強い人だった。ただし、いかにもビルマ料理、というのを期待する人には、ちょっと物足りないかも。
(マ・ザベー)

●元気で明るくハキハキとした姐御肌の佐野さんと、一見寡黙そうだが質問に対してもいろいろ熱く語ってくれた職人気質のココさん。お二人ともマイペースなんだけど、何か「勢い」を感じました。料理はどれも本当においしかった!のですが・・・ 心構えもないままいきなり取材を言い渡され、ゆっくり味わうどころではありませんでした(泣)。また改めて伺いたいと思います。
(マ・サンダー)

●「恵比寿」と「ミャンマー料理」との見慣れぬ組み合わせに?、首を傾げながら出かけたのですが、店に入って納得。代官山―恵比寿―広尾の流れの中にあるお店でした。メニューの文字はミャンマー料理を意味していても、出てくるものはミャンマー人が腕を振るった創作料理。いわゆる”高感度人間”を狙った店作りです。実際に居合わせた客層はどんぴしゃ。ビルマビルマしてたのは我々取材団だけでした。ラーメンとカレーは日本人の国民食になりました。ミャンマー料理も日本人の健康食の座を目指して、がんばってくださいネ。
(らいぞう)

●ドアを開けると木の温もりが暖かく落ち着いた雰囲気で、肩肘張らずに入れるお店です。この店の看板は気さくなお二人となんといっても味! 料理を食べ進むにしたがって、場所がら日本人向けの味付けにしているのかなと思いました。でもシェフのココさん曰く「私はビルマ人、日本人向けの味付けなんて出来ません。ただ自分がおいしいと思えるものを出してるだけです・・」と。素材を生かして、新しい料理に挑戦しておいしい料理に仕立てて提供してくれます。そうか日本人好みとか何人好みではなくて、旨いものは旨い!旨いから私好みだったんだ!それにしてもあれだけ食べて飲み物も含めて一人2000円を切るとは、ありがたいお店です。
(こくあん)

●コックのMoe Ko Koさん、ビルマ族でヤンゴン生まれのヤンゴン育ち。子供の頃お母さんに料理を教わったとう。ビルマ族の男では珍しい。一人でも生きていけるようにとの母の教育という。それに、凝り性でもある。本格的に料理をはじめたのは日本に来てからだが、元々の料理の素養と日本での経験と凝り性が合体して、他にないミャンマー料理となっている。いや、ミャンマー料理というよりもMoe Ko Koオリジナル料理といったほうがいい。こういった料理を作る人が増えると、ミャンマー料理自体もっと幅広くなる。どんどん新しいことにチャレンジしてほしい。
(ウ・モス)

取材日時 2004年11月3日(水、祝)6時半ごろ〜
飲食代 6人+ちびっこ1人&赤ちゃん1人で、¥10,437(不確か)
飲み物もいろいろ頼んだのに、安かった。サービスかな? 実値かな?
参加者 マ・ザベー(文)ファミリー4名(うち子ども2人)
マ・サンダー(文)
らいぞう
こくあん
ウ・モス(撮影)

*今回の文章は、マ・ザベーとマ・サンダーの二人でまとめました。



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