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紹介レストラン
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ヤッタナー YATANA
   
   

■2006年10月頃に閉店となってしまいました。

場所
新大久保(JR新大久保駅改札口より徒歩1分)

地図
住所
東京都新宿区百人町1-11-31 福田ビル1F・2F
電話
03-3361-1349
営業時間
11:30〜24:00(ランチ11:30〜15:00)
席数
1F:30席 2F:30席
休み
年中無休
創業
1991年春
客層
殆ど日本人のみ
特徴
この店が「日本で初のミャンマーレストラン」。そしてここは「ミャンマーの家庭料理」を食べさせてくれる店。厳密にいうなら、オーナーのイーミンさんの出身地である古都マンダレーの家庭料理。マンダレーはシャン州からも近いので、納豆や豆腐などを使うシャン料理の影響も大いにある。日本人にとっても馴染みやすい味なので、初めてミャンマー料理を食べるという人にもオススメの店。また、この店には「ランチ」がある。その上、ランチメニューに「丼物」があるのが珍しい。2階の客席奥には、店を始めるきっかけにもなった仏像を中心にして多数の仏像が厳かに安置されているので、食事に出かけたついでに(!?)何か願い事をするというのも良いかもしれない。


今日のアトウ

■ チャウンシャーテートゥ(アロエの和え物)800円
店のおすすめアトゥはラペットウ(お茶の葉サラダ)だったが、アロエというのが珍しかったのでこれを注文。ミャンマー産乾燥アロエを直輸入して使っているとのことで、アロエ独特の苦味も全く無く、美味!。アトゥには定番ともいえるピーナッツやゴマ、ニンニク等々のほかにもペーポウという干し納豆がいっしょに和えてあり、風味も抜群だった。

ペーポウという名のシャンの干し納豆。これを細かくしたものがアトウの中に入っていました。

■ トウゥトウゥ(ミャンマー納豆)
これもアトゥだと思うが、お茶をお願いしたら「お通し」に出てきたのがこれ。アルコールを頼んでもいないのに……嬉しかった。日本のものより粘り気には欠けるものの、まさしく納豆!。マンダレーに近いシャン州原産の納豆である。


ヤッタナーの自慢料理

■ ダンバウ(インド風蒸し鶏ごはん)1400円
これはミャンマーで食されているインド料理。マンダレーは昔、王様の都だったので、インド料理の味にしてもベストなものが継承されているのだそうな。そんなお話をしながら、オーナーの秋山堅一氏(イーミンさんと共同経営)が自ら鶏肉を切り分け、ナッツピラフと良く混ぜ合わせた上で皆の皿にサーヴィスしてくださった。鶏肉をマサラ等のスパイスに一晩漬け込んだ後、米飯と重ねて蒸すという。鶏とご飯によくしみ込んだスパイシーな香りが際立っていた。添えられたヨーグルトは、タンニェというヤシの樹液を煮詰めて作った黒砂糖シロップがけ。

正しいダンバウの食べ方

■ パシュータミンジョー(鶏肉の中華風炒飯)1200円
シャン州に住む少数民族、「パシュー族」の炒飯、という意味。パシュー族という名は初耳だったが、メニューに中華風とあるので中国系民族なのかもしれない。この料理、現地マンダレーのレストランで食べられるという。ほんのりピンク色に染まったご飯がきれいで、味も心持ち甘い(甘味でなく、旨味?)。もちろんピンクはケチャップなどでは断じてなく、「ミャンマー風豆板醤」の色であり味であるらしい。上に乗っている卵焼きの卵も特製。秋山氏いわく、「π(パイ)処理した餌を食べさせた鶏が産んだ特別な卵」「ウチの食材はすべて、π処理している」。例えば、「生魚もπ処理した<夢の水>をかけておくと腐らない」というのだが、果たしてこの<夢の水>や<π処理>とは??。次回訪れた際にはぜひ追求したい、大変気になる事項ではある。添えてある特製ソース(イーミンさん特製のライム?ソース)は好みでかけるのだが、ちょっと酸っぱい不思議な味と香りでした。

■ モーニンチンジョー(高菜と鶏肉の炒め物)850円
モーニンチンとはシャン州特産の漬け物。ミャンマー風豆板醤や魚醤、唐辛子、黒砂糖のタンニェなどで漬けて約半年から3年までが食べごろだが、高菜の古漬けといった感じ。これを玉ねぎや人参、ニラ、赤ピーマンと一緒に炒めると、唐辛子の利いた味噌をからめたようなコクのある味わい。この高菜もミャンマーから直輸入しているとのことです。

■ パズンヒン(海老カレー)1400円
オーナーの秋山氏から、是非にと強く勧められたのがこの料理。写真からもわかるように、見事な海老!でした。「ミャンマー・シー・タイガー」という、いかにも恐そうな?名前の、天然海老。「ミソもちゃんと食べてくださいね」とのことで、厨房に頼んでカットしてもらいました(新鮮で美味しかった〜!)。これはカレーというよりも「海老料理」といった方が適切で、高級感あり。

加熱前のミャンマー・シータイガー。デカイです。


食後のひととき

■ ラペッイエ(ミャンマー風ミルクティー)450円
イーミンさんの娘さんのマ・ゼーマーがこれをテーブルに運んできた途端、皆の歓声があがりました。まさに現地で飲むような耐熱グラスに入れられて、おまけに底にはコンデンスミルクが!。「シェーですね」と私が知ったかぶりで言うと、「スプーンが添えられているのは全部シェーです」と、マ・ゼーマー。すかさずウ・モスが、「これはチョーポですね。甘さ控えめだから」。うーーん、もっともっと修行が必要、と痛感した次第。ちなみに「シェー」とか「チョーボー」というのは、現地で紅茶を注文する際の喫茶店用語の一部です。

これが本場スタイル


店のことなど

店名の「ヤッタナー」はビルマ語で、「宝」とか「宝石」のことを意味するそうだが、この店は特に「三徳」(知・仁・勇の三つの美徳)という意味合いを込めて名づけられた。開店に至ったいきさつは、オーナーの秋山氏が日本語学校の校長時代に、学校のゴミ箱に捨てられていた一体の仏像に出遭ったことに始まる。それからというもの秋山氏の人生は、ご本人も述懐されたように、「その仏像とともにある」といって良いようである。ミステリアスともいえるこの物語の詳細についてはまた別の機会に譲るとして……いわば、その仏像を安置する場所としての店造り、だったらしい。そして、その仏像のご加護でもあるのか(!?)、今回まったく別々に参加した二人の女性に不思議な再会があった。長くなるのでこれも詳しくは書けないのが残念。残念といえば、今回はイーミンさんが、この日まで東京都庁広場で開催の、「アジアの夢と躍動展」に出展中だったために会えなかったことも残念!。その代わりに前述の秋山氏はもとより、マ・ゼーマー(10年ほど前、15歳で初来日)がビルマ人らしい優しい物腰と笑顔で質問にも快く応えてくれた。その親戚筋のマ・ヌエヌエもやはりマンダレー出身で、素朴な笑顔が可愛い女性(来日して1年、まだ一人では電車にも乗ったことがないそうな!)。彼女と共に厨房で調理を担当しているのがコ・ミンナウ、ヤンゴン出身である。この店の食材のほとんどがミャンマーからの直輸入だという話からも、非常に「こだわり」を持った店だとみた。2階にまします仏像も必見である。

左から、マ・ゼーマー、コ・ミンナウ、マ・ヌエヌエ

秋山さんと不思議な仏像


雑感

●今回は約束より1時間も前に偶然、初参加のMiyakoさんを伴ったウー・モスに出会えたり、スースーティンとMiyakoさんの驚きの再会があったりと、楽しいハプニングばかりでした。でも今回、私が何より嬉しかった出来事は……私にもビルマ語名が付いたこと!。マ・ゼーマーが「何曜日生まれ?」「まだビルマ語名がないの?」と訊くので、「月曜日生まれ。前からビルマ語名はほしかったんだけど」と言うと、暫く「うーーん」と考えて後、『チューチューカイン』と命名してくれたのです。意味は「良い香りと強い意志」といったような感じ?。何だ、私にピッタリじゃない!(冗談です)。ともあれ、今まで大勢のビルマ人に会ってきたけれど、名付けてもらう機会はなかった。だからこれもご縁でしょう。いえ、ひょっとしたら2階の仏様のお導き?。
仏様&マ・ゼーマー、チェズーティンバーデーシン!
(邯鄲虫あらためドォ・チューチューカイン)

●本日はパヤーのお力にびっくりしました。初対面のはずのMiyakoさんは、なんと高校時代のハンドボール部の先輩!そしてお店に飾ってある骨董品は私の大好きなビルマ人&日本人のご夫婦のお店からのものでした。オーナーの秋山さんが日本語学校で校長先生をなさっていた時の生徒さんだったそうです。(ボージョーアウンサンマーケットのメインストリートにあるBontonという骨董品屋さんです、ヤンゴンにいらっしゃる際には是非覗いてみてください!) ランチには、様々なビルマ丼がありますので通おうと思います。新大久保周辺にお勤めの方、ランチタイムにお会いしましょう!
(マ・スースーティン)

●今回、ひょんなことから飛び入りで参加させて頂きました。「ミャンマー料理」と聞いても、どんな味なのかまったく想像がつきませんでしたが、意外や意外、食べやすい! はまってしまいそうです。お店の方々も皆フレンドリーでいい感じ。少しはにかんだ優しい笑顔に、ほっと和んでしまいました。不思議な再会もありました。仏様のご加護に感謝。生まれ曜日がわからず、ビルマ語名をつけて貰えなかったことが少し残念・・・(ちなみに火曜日生まれでした)。
(Miyako)

●上のお二人が驚きの再会をしたヤッタナー。私にとっては2回目の訪問でした。あまりにも有名な店なので足がなかなか向かなかったというあまのじゃくの私ですが、今回はじっくりと料理を味わいました。日本人客が多い店ですが、本場の味に対するこだわりがあります。他の店では見かけない料理もありますし、ラペッイエはグラスで出てきます。それになんといっても、シー・タイガーを使ったパズンヒン。漁業が盛んなンガパリに行ったときに、「大きなエビは日本に行くんだよ」と地元の人が言っていたのを思い出しました。そのおかげでンガパリではエビを食べ損ねた私ですが、やっとヤッタナーで立派なミャンマーのエビに出会うことが出来ました。それと、店で働いているタッフの素朴な雰囲気がミャンマーにいるかのようでした。
(ウ・モス)

取材日時 2001年10月18日(木)小雨17:00〜
飲食代 4人で9,560円
参加者 ドォ・チューチューカイン(文)
マ・スースーティン
Miyako
ウ・モス(撮影)


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