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ミャンマー家庭料理 メイ・ツー / MAY2
今日のアトウアソントウ恒例のアトウのレポートです。
チェ・ヨウ・トウ(骨付き鳥肉のサラダ)ドレッシングがたっぷりかかっていたので、オーノカウスェ(ココナツミルク麺)かと思いきや、かなり凝ったサラダでした。鳥のいろいろな部位(鶏肉、皮、モミジ、モツetc)と野菜を、きな粉と酸味の利いたドレッシングで和え、さっぱりとしたした中にこくも感じられるサラダでした。たまに舌に当たる青唐辛子のピリッとした刺激は、暑い夏に最適な一品です。
MAY2の自慢料理ウェ・ウン・シャウン(マンダレーの豚肉ソーセージ)マンダレーでは高級品だという。香辛料のきいた、中華料理で食べたことがあるような味。ソーセージというが、日本だとサラミに近い。見た目、透明感があって、甘みのある濃い味。ジューシーで、つまみにGOOD!
ウェッナウンヨウジョー(豚のスペアリブ揚げ)やや硬いが、噛むほど味が出てきて、香辛料も効いていておいしい。辛味はなく、塩コショウをしてあり醤油味に近い。普段ミャンマーの家で食べる料理ではなく、レストランで食べられる料理。
ナンジートウ見た感じ、パスタ料理のカルボナーラに似ている。ポリューム感がある。食べると、ムニュとしていて歯ごたえがあり、そこもカルボナーラに似ている。しかし味は、奥深い。口にミャンマーの密林の涼風が吹き渡る感じがある。スーッ、と何かが通り過ぎる。エキゾチックな顔立ちのお店のママさんに作り方を聞いた。鶏肉を大蒜(にんにく)と生姜(しょうが)で炒め、ココナツミルクを加える。そこに平麺を投じ、あえる。仕上げに豆乳とナンプラーで味を調える。これで完成。わりと簡単。この作り方もどこかパスタ料理に似ている。これはマンダレーの料理で、主食としても副食としてもよく食べられているとのこと。またお祝い事があったときなどに、お坊さんに食べていただくものらしい。この料理の肝(きも)はココナツミルクにあるように私には思えた。全体をマイルドな味にしている。奥床しくしている。それはミャンマー人の人柄に一致してくる。味は人、人は味、なのであった。
ダンバウ金色に輝く炊き込みご飯がテーブルに置かれた。ご飯に交じってカシューナッツ、レーズン、ニンジン、オニオン、豆等が混ざり、スプーンでご飯を突っつくと、中から骨付きチキンが宝物のように掘り起こされる。これ、インドや中東を中心とした非中華圏のアジア全土でポピュラーなチャーハン、「ビリヤニ」そのものではないか! ミャンマーが英領インドの一部になった頃、インド本土から伝わったらしい。その後は日本で言うラーメンやカレーのように本国料理の一ジャンルとなった外来食として定着。ほんのり香るシナモンやターメリックと共に食材がはっきり生かされた味わい。カレー風味は若干抑えられ、レーズンの甘さが余韻を引く。ドラマで言えば主役はあり得ないけど、何となくインパクトの残るチョイ役の外人役者って感じか。
モヒンガ実は、私はモヒンガがあまり好きではない。ミャンマーの朝には欠かすことのできない緬料理だが、あの独特の臭みと歯ごたえのない緬が苦手だった。メイさんの作るモヒンガはちょっと違った。臭みは少なく味にコクがあった。ダシには定番のナマズ以外に日本のサバも使っているという。緬は日本のソーメン、日緬合作のモヒンガだ。これだったらおかわりしたくなる。
番外編ミャンマーふりかけテーブルソルトならぬ、MAY2名物のテーブルふりかけ。これだけでご飯が何杯でも食べられる。無料です。
ラペッイエ
店のことなど店名のMayというのは、オーナーのエイン・ナメー(家で呼ばれていた愛称)。メイさんがお母さんやおばさんから教わった家庭の味を再現している。メイさんは、ミャンマーで看護婦をしていたが、95年に、先に来ていたおばさんに呼ばれて日本へ。ミャンマーの家庭料理を日本の人に食べてほしいという夢を持って働いてきて、2005年ごろ、西日暮里にMay、翌年目黒にMay2を出店。昨年は病気をして、Mayを1年間閉店した。仏教徒のメイさん、「ブッダが導いてくれた場所(現在は日本)で精一杯、生きて、楽しく過ごしたい」と、常に前向きで現状を否定しない。まっすぐな目をした、非常に魅力的な女性だ。
雑感●シンプルな家庭料理を売りにしている店だが、今回、「珍しい料理」をと依頼したので凝ったものが多く、他店との比較が難しい。通常のラペトゥやトマトのアトゥも食べてみたかったなあ、と思う。メイさんが料理好きなので、普通の料理もきっと美味しいのではと思う。ミャンマー人オーナーは、どの店でも素朴で、話していて日本人にはない安らぎを感じるが、この店のメイさんはミャンマー人らしい素朴さとともに、強さと透明感を感じる。魅力的な人だ。今度は目黒店に行ってみよう。 ●広過ぎず狭過ぎず、静かでゆっくりできる。厨房(キッチン?)が客席から見えるため、調理中の様子が見えるのが楽しい。外観は一人では少し入りにくい雰囲気。 ●駅からは少し入り組んだ道を進み、閑静な住宅街にひっそりとたたずむお店です。大竹しのぶさん似の店長さんの、素敵な笑顔が印象的でした。お料理はもちろん全部おいしいです☆こちらのお店(2号店)はしばらくお休みになってしまうということなので、次回は、目黒の1号店に行きたいと思います。 ●駅を降りてから路地裏に入り、行き着いたのは一軒のマンションの一室。そう言えば高田馬場にも、一室の扉を開けるや無数のミャンマー人がビルマ語カラオケに興じている怪しい隠れ家的なお店があるので、ココもそんな感じかなと一瞬思ったが、全然違っていた。いかにも女性が切り盛りしていそうなきれいでこじんまりとしたお店。内装もマンション仕様で、二、三か所のテーブルとキッチン。食材は片隅の冷蔵庫から取り出している。そして小柄で気さくな雰囲気の店長さんと新婚ホヤホヤという笑顔の可愛らしいウェイトレス。このコーナーのために裏メニューをいっぱい出してくれる等、ミャンマーホスピタリティの出し惜しみは無い。レストランで食事していると言うよりホームパーティーに参加しているような錯覚を覚えた。 ●どのミャンマーレストランも店員さんは、たいがいミャンマー人らしく穏やかで愛想がいいものですが、ここのお二人はそれに加えてキュートで、食事の時間をいっそう心地よいものにしてくれました。お腹も心も満足させてくれるお店です。こんどは是非ランチを食べに行きたいと思います。 ●不思議な空間だった。写真を見返していてそう感じた。住宅地のマンションの一室だからか、ひさしぶりに夜開店したためか、我々だけで借り切ったためか、メイさんの人柄なのか。いずれにしても、静かに時間を過ごせる居心地のいい場所だ。が、MAY2はしばらく店を閉めるという。スタッフが確保できたら再開するそうなので、それまではメイさんのもう一つの店、目黒のMAYにどうぞ。
ところで、私は9月17日にヤンゴンへ引っ越すことになった。「ミャンマーレストランに行ってきた」シリーズは2001年から始めたので、もう11年。私が日本にいなくても続きます。メインライターはこれまで通りマザベーが、カメラマン役はこくあん氏です。日本で記事と写真ができたら私はヤンゴンでページ作りをします。これからもよろしく。
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